Collection
equines
生きた証「傷 」をそのままに
equines イクワインズ ソフトホースレザーバッグ

馬はとても活発な動物。
生きていく中で、体には様々な傷が刻まれていきます 。
「傷」はやがて回復し、生きた証となるのです。
equinesシリーズでは、その傷をしっかりと活かす事で、
生命力を感じられる作品としました。

表情が際立つ「馬革」
手に吸い付くような肌触りの馬革を使用しています。
馬革独特の表情と傷が際立つよう染料で染め、時間をかけじっくりと加脂する事で
馬革繊維の緻密さに由来する濡れたような深い色調と、しなやかな風合いに仕上げました。
“生きた証” がデザインの要素として強く浮き出します。


静かに主張する「金具」


独特な染色とオイル加工で引き出した馬革の奥行きに、さりげなく寄り添う重要な「鉄」の部品。
この小さな金具には鉄ならではの絶妙なグラデーションが付けられています。
30年以上にわたり鉄属加工をされてきた熟練職人が、溶接用の強力なバーナーで金具の角だけを、500°C程まで熱します。
火を当てすぎれば 鉄が溶けてしまうため、絶妙な加減で一つ一つ素早く焼き付ける事で鉄特有の表情を引き出します。
このグラデーションで、秩序から無秩序へ向かう万物の法則を表現しました。
しかし、鉄は酸化が早く、すぐに錆びてしまうため、
焼いた後は直ぐに焼き付け塗装を施し酸化を止め、
表情を封じ込めます。
この味のある表情を完成するまでには、何十回と 試作を繰り返し、やっと辿り着きました。
味のある馬革に「鉄の金具」がよりいっそうの趣を 与えています。
気にしなければ気付かない小さな金具 。
CORBO.では細部こそ大事な要素と考え、深く深く作り込みを行っております。


【バッグ】
ソフト馬革 オイル加工
内装:綿布
【ウォレット】
ソフト馬革オイル加工+牛革ヌメ

equines ( イクワインズ・馬達 )
輸入原皮を日本で丁寧に鞣し、染色を終えた馬革に、オイルを塗り込みじっくりと
時間と日にちをかけて馴染ませます。この作業を繰り返し行う事で染料を閉じ込め、
透明感のある表情としなやかで味のある皮革に仕上げています。
馬革は繊維が緻密で肌理が細かく、銀面はシボの少ないなめらかな表情,
裏面はビロードの様です。使い込むほどに張り付くように馴染んでくれます。
非常に軽く丈夫なので、古くからフライトジャケットやライダースジャケットなどに
多く使われて来ました。
しかし、馬は活発な性格の動物で、体毛が短いことも原因して繊維が良い反面、
とてもキズが多いのが悩みの種です。
コードバン層のある臀部以外は厚みが無く、コードバンを取った前の部分は少量の良質なもの意外はほぼ傷があるために、顔料を塗ったり、ワイルドな表情に加工してカジュアル向けに使われています。
どの場合でも、もともと繊維が強く肌理細かいので、使い込めばしなやかに馴染んでくれる皮革です。
Equines(イクワインズ)はこの傷を前面に押し出す事でデザインに取り込み、
純粋に馬革の質の良さを楽しめる、シンプルで無駄の無い機能的なバッグに仕上げました。
傷には擦れや焼き印などが多く、これらの形や染まり方の違い、ツヤの違いは千差万別でまさに個性意外の何ものでもなく
とても強いコンセプトに基づいて前面に大きく配置していきます。
多脂加工でトーンが落ちるため、下地の色を薄くし色落ちを減らす事で際立つ染料素上げの面白さも下地とトップの色をかえる事さえも、すべてコンセプトの表現へと繋がります。
すべての型には大型の外ファスナーポケットと隠しポケットが装備されていますので、出し入れが頻繁な物を入れておけばバッグの中を探さずにすみ、隠しポケットは上部がホック式ですので、携帯電話やIPodなどを入れる事が出来ます。
ICカード定期券を入れられるラゲッジタグも装備しています。

equines ( イクワインズ )
写真家 星野道夫さんの著書『長い旅の途上』の一節。
──「風こそは信じ難いほどやわらかい真の化石だ。」と誰かが言ったのを憶えている。
私達を取り巻く大気は、太古の昔からの、無数の生き物たちが吐く息を含んでいるからだ。
その吐く息とは"言葉"におきかえてもいいだろう。
風に包まれた時、それは古い物語がどこからか吹いてきたのだという。──
この一節を読み終えた時、周りの音は消えていた。
波の風景、川底、山頂の風、雪原、ダイヤモンドダスト、音のないオーロラの奏で、彗星の疾風。
エコという言葉の誠実と傲慢、 愛すべき人間の業、道端の草。
きょう、僕達を取り巻く世界や人々の生き方さえも、その種の存続のために書き留められていくのだろうか?
人も一部ならば平衡は保たれるはず、そう思う方が自然体でやっていける。
生き物の傷は生命の標。 刻まれたまま平衡を保つとは…… 。
愛おしくも、強く雄大な風景に包まれているようである。