今回は、3年ほど使用しているダークグラウンのカラーにて、革の様子も含めて全体を見ていきます。
私の手は大きめですが、サイズ感は長財布に比べ、手の中から少しはみ出すほどのサイズ。
やや細身のスマートなフォルムです。
このイアリアンレザーは、使い込むにつれ、艶が現れると共に色にも深みが増してきます。
ガバッと大きく開くと、内装全体の革のインパクトが抜群です。
植物タンニン鞣しであるバケッタレザーで作られているので、こちらもエージングが進むにつれ味わいがより深くなりました。
そして、直線と曲線が生み出すデザインもたまりません。
紙幣入れは、幅に余裕があります。
出し入れの際は滑りも良くスムーズです。
とても深い札入れポケット。
奥まで差し込んでみるとここまで深く入ります。
お札以外にも、チケットや領収書などを入れるのに丁度良いです。
コインケースは、大きなマチ付きなので、このようにガバット大きく開くことが出来ます。
中にベロが設置されているので、切符やカードを入れたりと使えます。
実際に収納した場合の様子をチェックしてみましょう。
収納する内容は
カード×8枚、コインは五百円玉×2枚、百円玉×5枚、十円玉×5枚。
コインケースへコインをすべて入れてみました。
マチが大きく開くので、とても見渡しが良いです。
広さもあり、コインの枚数がすぐに確認出来るような余裕があります。
コインを入れた状態での厚さとふくらみは、見た目としては、多少厚みを感じる程度です。
さらに追加しても大丈夫そうです。
カードをカード入れにすべて収納してみました。
上記の写真は、裏側のカードポケットは、場所が分かりやすいようカードを少し出した状態ですが、実際には奥までに入ります。
コインとカードを全て収納した状態での外見です。
横から見た感じでは、多少ふくらみを感じますが、財布のデザインとマッチしています。
多めに入れたい場合では、丁度良い収納量はこれぐらいだと感じます。
かぶせ部分のホックを2つ設置しているので、収納量により使い分けることが出来ます。
上記の写真は、収納量が多い場合に使う位置で留めています。
それぞれのかぶせや、コインケース下のラインが、曲線に仕上げられているのがポイント。
デザインとしても面白いが、手に持った際に手のひらにフィットし、使いやすさにもつながります。
磨き込まれたこのコバは、重厚な雰囲気を醸し出す重要な要素に繋がっています。
バックの小さめのポケットにも収納可能です。
パンツの後ろポケットには横幅は余裕がある大きさです。
縦側には少し飛び出る可能性があります。
コートなどの大きめのポケットには楽に入るでしょう。
このイタリアンレザーの表情の変化は、いかにも皮革らしい深みをもっています。
新しい状態の少しマットに感じる質感から、使い込むうちに深み艶が生まれていく変化はとても魅力的です。
革の魅力引き出した独特のデザインの三折財布は
フォーマルからカジュアルまで、幅広く使いやすいでしょう。
SLATE(粘板岩 青灰色)
槍のように聳え立った山の麓の村で彼とは出会った。
その山にとりつかれ単身海を渡り、村に住み着いた。
冬に気温が下がり岩盤が硬く凍りつかなければ頂上にたどり着けない、険しい山だと話してくれた。
前を向いたまま、やり残したルートがある、と彼は自分の歳と脚を擦りながら言い、こちらに顔を向けにこりと笑ったのだ。
たった一晩一杯の酒を共にしただけなのだが、彼の事は山を背にした村で家々の屋根が冬の陽光に輝いていた風景と共に強く焼き付いてしまっている。
【Material】
イタリアンオイルレザー(バケッタ製法によるベジタブルタンニン鞣)
イタリアの伝統製法、バケッタ製法でベジタブルタンニンと天然素材で鞣された皮革を使用しています。腰も味もオイル感も絶妙で、なによりもこの皮革の表情の変化は皮革らしい深みをもっています。使い始めてすぐに実感できるほど艶がでやすく色も深みを増していきます。
【Design】
良い皮革を重ね合わせシンプルで素朴な小物を作りました。皮革の特徴を活かし、切れ目のコバは一本一本すべて手磨きを施していますので焼けた様な表情がついています。 外面の2本のステッチは糸の太さ、縫いのピッチを変えています。内側の細く細かいステッチは芯材や裏地などをとめています。外側の太いステッチは皮革のみをまとめています。これにより使い込んでもぼろぼろと芯材や裏地が出てくる事がありません。
スレートは使われてから完成すると言っても良いと思います。意図的にホックのアタリをだしたり、ステッチの色を濃くしたり、薄くしたり使われてからの配慮を施しています。
細工のアタリやカード、小銭のアタリまで楽しんでください。